桜舞い散るあの日。

不安だらけで

大葉優に告白されて一週間。私は絶対大葉優に出会わないように学校生活を送っていた。

「はあぁぁ。」

青空の下、私は屋上で大きくため息をついた。時間は一時半。授業なんてものはサボってしまおう。だって・・みんなの視線が痛いから・・。それもコレもあの大葉優の告白のせいだ。しかも噂ではOKしたことになってるし・・。確かに私は断っていない。ていうか断れない。恐いし・・。(まぁそのうち大葉優も飽きるだろうし、噂も消えて一件落着ってことになるでしょ・・。)そう考えると少しは楽になるのだがやはり気が重くもう一度ため息をついた・・・その時、

「ばあっ!!」

「ぎゃあぁ!?」

後ろから肩を叩かれ私は驚きのあまりなんとも色気のない声を出してしまった。誰だと思い後ろを向く。

「桜ちゃんみっけ!」

「お、大葉優?!・・くん。」

なんと私を驚かせた犯人は大葉くんだった。・・今日も服装がチャラチャラとしている。
大葉くんはニコニコとして私を見ている。私はまだドクンドクンと早い鼓動を打つ心臓を落ち着かせるため、胸を押さえ深呼吸をする。

「お、大葉くん。奇遇だね・・。」

「うん。ねぇ、桜ちゃんはここで何してるの?」

大葉くんが私の横に座りながら聞いてきた。この時間ここにいればすることはサボりぐらいなのだが・・。そう思うが私はニコニコとひきつった笑みを浮かべながら大葉くんを見る。

「あー。うん、サボり?かな・・?あはは。」

「ふーん。じゃあ俺もここでサボろう!」

(本気ですか?!)なんとなくこうなるとは思ってはいたが・・。私はひきつった笑顔のまま固まる。冷や汗が額を流れていくのがわかった。
そんな私をお構いなしに大葉くんはバタッと寝転び伸びをする。

「・・・。」

(本当にあの大葉優なのかな・・?)噂で聞く大葉優はもっと恐いイメージの人だ。しかし今目の前にいる大葉くんを見ているとどうも信じられない・・。(もしかして嘘なんじゃ・・?)


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