日本一のヤクザ幹部は、本当は私を溺愛している。
花
通常より少し大きめのカゴに入った
色とりどりの美しい花を抱き直す。


真っ白な廊下に
似合わないであろう黒いスーツに身を包み


週に1度の楽しみに胸を踊らす。


日本有数の大学病院の脳科の病棟
その上の方のランクの個室へ足を進める。


嬉しいはずなのに
毎日毎日
この日を楽しみに生きているはずなのに


ひとつの病室に近づくにつれて
緊張と不安が高まってくる。


完全個室の優待ルーム。


その扉をノックする。


「はい」


綺麗な女性の声がする。


今日も病室で待っていてくれたことに
喜びを感じながら扉に手をかける。


彼女は、


一ノ瀬(いちのせ) 桃華(とうか)は
昔と変わらぬ笑を浮かべて俺を出迎える。


「まぁ!
またお花を持ってきてくれたんですか。

ありがとうございます。鹿妻(かづま)さん。」


可愛らしい顔立ちから
大人に近づいて美しくなった彼女は


嬉しそうに


俺


鹿妻 悠月(ゆづき)を迎え入れる。


17歳以下の記憶が無いままに。
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