極秘出産のはずが、過保護な御曹司に愛育されています



   

 

 結貴と秘書のアランさんがこの店に来るなんて驚いた。


 空いたテーブルを片付けながらちらりと結貴とアランさんと座るテーブルを盗み見る。
 
 加藤さんが彼らの前で私の悪口を言い始めたときはどうしていいのかわからなくて体が震えた。
 結貴に誤解されたくない。
 軽蔑されなくない。
 そう思っていたけれど、結貴は加藤さんの言葉を鵜呑みにせず私をかばってくれた。
 
 明日から同僚たちからの風当たりがさらに強くなってしまうかもしれないけど、そんなのどうでもよく感じるくらいうれしかった。
 
 そのとき「白石さん」と名前を呼ばれた。
 いつの間にか私の背後に店長が立っていて、声をひそめ話しかけてくる。

「あのお客様って、白石さんの知り合い?」
「はい、学生時代の知人です」
「ずいぶん仲がよさそうだね」

 店長は私の耳元に唇をよせる。
 必要以上に顔が近づき、私は眉をひそめた。

「あの?」
「どちらかと恋人なの?」
「そんなことは……」

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