私の彼は魔王様
急に睡魔が襲ってきて大きな欠伸か一つ。


目に滲んだ涙を拭う。




『花梨様。少しお休みになられては?まだ、結界は効いております。この部屋の一時間は扉の向こうの一分でございます。安心してお休みください。』




ケルベロスがあたしの足元で丸くなった。





『ふかふかだ。』





あたしは毛皮に体を預けると深い眠りに落ちていった。



『やれやれ...ですね。』




ケルベロスは尻尾を軽くふると花梨の体にそっと掛け、自身も赤い瞳を閉じた。
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