隣のキミをもっと溺愛、したい。
簡単な診察を終えて、
明日は一日検査をすることになった。


やつれた顔をしている礼くんに
申し訳ない気持ちになる。


「ごめんね、礼くん、心配かけて」


「俺はいいけど、
リラがすごく心配してる」


礼くん、目の下にクマができてる。

きっと、お母さんと交代で
付き添ってくれたんだろうな。



「お姉ちゃんも、
このこと知ってるんだね」


「羽衣が怪我して入院してるって伝えたら、
帰国するって言い出して
止めるのが大変だったんだぞ」


「うわ、お姉ちゃんに謝らないと!」


「うん、羽衣からも
リラに連絡してやって。

羽衣からの連絡を待ってると思う」


「礼くん、いろいろありがとう」


目を伏せて深く頭をさげると

礼くんが疲労の滲んだ表情を
柔らかく緩める。


「俺とリラの可愛い妹なんだから、
当たり前だろ」


礼くんの穏やかな笑顔に
ホッと安心する。

礼くんがここにいて
私に付き添ってくれているのも

きっとお姉ちゃんを
心配させないためなんだろうな。

礼くんは本当に優しい。



「とにかく羽衣が無事で良かったよ」


ホッとした様子の礼くんに
こくんとうなづく。


「それより、
なんであんなところにいたんだ?」


「あんなところ?」


「花籠神社だよ。
友達に誘われて行ったんだろうけど。

あの神社の花祭り、
普段は行きたがらないのに
どうして行ったんだって、

リラがカンカンに怒ってたぞ」



「花祭り?」


そっか、ケガした日は
花籠神社の花祭りの日だったんだ。


でもどうして
花籠神社のお祭りになんて

行ったんだろう?


あの神社のお祭りにはなるべく
行かないようにしていたはずなのに。



「まだ、混乱してるのかもな。
とにかく今は、
ケガを治すことだけ考えてればいいよ」


「ん、そうだね」


薬を飲んだら、
全身の痛みは少し落ち着いたけれど

突き刺すような酷い頭痛は
なかなか治まらない。


はあ、みんなに心配かけちゃって
情けないな。
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