隣のキミをもっと溺愛、したい。
【羽衣side】

式が終わって
一ノ瀬くんと歩いていると、
下級生の女の子たちに囲まれた。

「あのっ!憧れでした!」

「理想のおふたりでした!」

「おめでとうございます!
開南を代表する
おふたりに花束ですっ!」


断り切れずに、
花束を
ひとつひとつ受け取っていると、

ぐいっと
一ノ瀬くんに腕をつかまれた。


「逃げよう、天野!」


「え?」


一ノ瀬くんに
引っ張られるようにして
体育館まで走った。


静まり返った
用具室にたどりついて
でホッと息をつく。


「ここなら、だれもこないから
大丈夫」


無邪気に笑う一ノ瀬くんに
首をかしげる。

「大丈夫って、
どういうこ、」


にっこり笑った一ノ瀬くんに
トスンと体操マットに
押し倒された。


「と?」


一ノ瀬くんを下から仰ぐと、
一ノ瀬くんの目が妖しく光る。


「天野、俺、待てない」


「……なにを?」


幸せそうに頬をゆるめながら
一ノ瀬くんが、
私の胸のリボンをほどく。

「ま、まさか、こ、ここで?」


そろそろと
一ノ瀬くんを見上げると、
一ノ瀬くんがにっこりと笑う。



「だってこんな背徳感、
もうないだろ? 

鍵はかけたから大丈夫」


「そ、そういう問題じゃないよ、
一ノ瀬くん?」


「それに、制服姿の天野、
今日までだよな。

もう、止まらないし、
止められないし、

そもそも止める気がない!」


宣言するように、
迷いのない
眼差しで見つめられて

必死の想いで
一ノ瀬くんに抗議する。


「い、一ノ瀬くん、
ちょっと、落ち着こう?」


「可愛いすぎる羽衣が悪い。
責任、取って?」


甘く頬を緩める
一ノ瀬くんに両手をのばして
必死に抵抗。


「一ノ瀬くん! 
ちょっと待って!」


と、目をつぶったところで。


「くくっ、うそうそ。
羽衣、すぐ本気にするから」


肩をゆすって
笑っている一ノ瀬くんに
ぷくっと頬をふくらます。


「ひどい……」



長いため息をついて、
馬乗りになっている
一ノ瀬くんを見上げると、

一ノ瀬くんが
私の額の傷にそっと触れる。


「ごめんな。
この傷、
綺麗には治らなかったな」


「大丈夫だよ、前髪で隠せるし」


視線を落とす一ノ瀬くんに
笑顔を返す。


「俺がちゃんと責任とる。
だから、責任、取らせて?」


と、一ノ瀬くんの甘い声が
耳に届いたときには、
唇をふさがれていた。


「っ!」


「ごめん。
やっぱり、俺、我慢できないかも」



fin
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