With you~駆け抜けた時・高1 春&夏編~
高校になって、いろんなことがやっぱり中学までとは変わった。勉強も当たり前だけど、より高度に、専門的になった。国語が「現代国語」と「古文」になって、社会が「地理」と「世界史」、理科が「物理」と「生物」に分かれて・・・。


お昼ご飯だって、今までは当たり前だった給食がなくなって、お弁当か購買で何か買うか、学食だってある。そして何より、自分達で決められることが、決めなきゃならないことが増えた。


「高校は義務教育じゃない。学生である以上、本分である勉強をしなくてもいいとは言わんが、勉強に明け暮れる必要もない。部活、恋愛、おしゃれ・・・他にもいろいろあるだろう。とにかく自分が打ち込めるものを1つでいい。必ず見つけてくれ。入学早々のお前たちに、こんなことを言うのもなんだが、高校の3年間はあっという間だ。2年になれば、もう大学受験を意識しなくちゃならないし、その先に自分がどんな道に進んでいきたいか、考えて行かなくてはならない。俺達でよければ、相談にはいくらでも乗るが、決めるのは最終的にはお前達自身。それを忘れないで、これから3年間を過ごして欲しい。」


入学してから、初めての学活の時間に、担任から言われた言葉が忘れられない。そうだよね、自分が何がしたくて、何を目指して、この高校に入ったのか。私の答えは明白だった。


それにしても、予想も覚悟もしていたけど、野球部の活動はハードだ。ほぼ毎日練習があり、早朝練習も始まった。土、日や祝日だって、練習はもちろん、対外試合で遠征もある。


働き方改革じゃないけど、実は数年前から生徒、そして教師の部活動による負担の軽減が叫ばれ、ほぼ年中無休だった野球部も基本的に月曜日が休部日に設定はされたらしい。


だけど、あまり大きな声では言えないけど、はっきり言って有名無実。当初は自主練習という名目で集まって、監督、顧問はあずかり知らぬ体をとっていたみたいだけど、すぐに元の木阿弥になっちゃったんだって。


「それでもさすがに、基本的には雨が降ったら、練習は中止になるようになったから、それだけでもマシだよ。前は雨が降っても、室内でウエイトとかやるのが当たり前だったからな。」


キャプテンが前に、話してくれた。
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