【女の事件】借りパク妻
第1話
「ああ!!どうしよう…ホンジョウさんの奥さまから借りていた韓流ドラマのDVDを見ていない…あと118話見ていないわ…大変、ニオカさんの奥さまから借りていた推理小説の本も21ページしか読んでいないわ…どうしましょう…今日で4か月目…ああ…また借りパクしてしまったみたい…サイアク…」

時は、2015年10月半ばの昼下がりの時であった。

場所は、吉祥寺にある2階建ての家にて…

声の主は、この家の長男の嫁のよしえ(44歳・パート主婦)であった。

よしえは、近所の奥さまたちから借りている韓流ドラマのDVDセットと推理小説の文庫本3冊を借りたまま返していなかった。

借りたものは返さないといけないのに、期日を先延ばしにしてばかりいたので、知らないところで近所の家の奥さまたちとの間にアツレキを生んでいた。

よしえは、同じ家にダンナ・しげみち(46歳・管理職)としげみちの両親(68歳と70歳)としげみちの妹・みちる(35歳・信金職員)と一緒に暮らしているが、家族生活がうまく機能していなかった。

この最近、ダンナの妹の結婚問題がより深刻になっていた上に、ダンナは職場の昇進試験のことで頭がいっぱいになっていたので、気持ちのゆとりがなかった。

ダンナの妹のみちるは、結婚問題を抱えて苦しんでいた。

今から半年前に同じ職場で働いている男性職員さん(34歳)が家にあいさつに来ていた時に、ダンナの両親に結婚の許しをもらうために必死になって、結婚の許しをお願いしていた。

しかし、ダンナの父親が腕組みをして考え込んでいた。

ダンナの母親は、父親に説得をしているけど、ダンナの父親はみちるの結婚に消極的になっていたので、話し合いが停滞していた。

よしえは、そのことに対してひどくイラついていたので借りパクのトラブルを起こしていた。

だから、ダンナやダンナの両親や近所の奥さまたちからきついしわよせを受けていた。

よしえが借りパクのトラブルを起こすようになった原因は、30年以上の昔の出来事にあったと思う。
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