【女の事件】借りパク妻
第9話
みちるがレイプされた事件は、容疑者の男のグループの身元が分からないのでケーサツの捜査が難航していた。

義父は、みちるがレイプの被害を受けて大ケガを負ってしまったことが原因で結婚したくないと言うて部屋に閉じこもったので、ひどく気落ちしていた。

さらにその上にまた、深刻な事件が発生した。

よしえの弟が、学習院の大学院をやめていたことが明らかになったので、実家の母親が切羽詰まった表情で家にやって来た。

母親からことの次第を聞いてびっくりしたよしえは、母親にこう言うた。

「おかーさん…おかーさんね!!アタシの話しを聞いてよ!!(よしえの弟)がどうして学習院をやめたのかが知りたいのよ!!」
「聞いているわよぉ…(よしえの弟)が突然学習院をやめると言って、大学院に中退とどけを出していたことを聞いて…どのようにして対応すればいいのか分からないので困っているの…よしえ…どうすればいいのよ…おかーさん、分からないの…」
「知らないわよそんなことは…アタシ、怒っているのよ!!アタシが15の時に、どうして(よしえの弟)にお受験を押し付けたりしたのかしら!!おとーさんをより低いランクへ下げて、見下すだけ見下した…おかーさんは(よしえの弟)に何を求めていたのかしら!!」

よしえの母親は、よしえから問い詰められたので、泣いていた。

よしえは、ますます怒った口調で母親に言うた。

「おかーさんね!!アタシ、思いきり怒っているのよ!!どうしておとーさんのことを見下したのよ!!高校中退で資格特技がない!!段ボール箱の折りたたみの仕事しかできない…おとーさんのことをズタズタに言っておいて、(よしえの弟)にお受験を求めてばかりいた!!おかーさん!!おかーさんは学習院に行けば特典がいっぱいあると言ったけれども…いい特典とは、一体何のことを言っているのよ!!言いなさいよ!!」

よしえから強烈な言葉でなじられた母親は、泣くより他はなかった。

よしえの借りパクは、さらにひどさを増していたので、サイアクの事態におちいっていた。
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