リボン~もう1度君に、プロポーズ~
そんなことに浸っていたら、
「希里恵」

「希里恵ちゃん」

お兄ちゃんと雪穂さんに名前を呼ばれた。

「はい」

返事をした私に、
「周晴くんと大晴と、3人で幸せになってね」

雪穂さんが言った。

「もう別れるんじゃねーぞ」

そう言ったお兄ちゃんに、
「はい…!」

私は返事をした。

コンコンと、控え室のドアがたたかれた。

「どうぞ」

私が声をかけると、ガチャッとドアが開いて、純白のタキシード姿の周晴さんが控え室に入ってきた。

「パパ、かっこいい!」

タキシード姿の周晴さんに、大晴は声をあげた。

「ありがとう、大晴」

周晴さんは大晴に笑いかけると、頭をなでた。

「すみませんが、希里恵と大晴の3人にしてもらってもよろしいでしょうか?」

そう声をかけた周晴さんに、
「わかりました」

「では」

お兄ちゃんと雪穂さんはペコリと頭を下げると、控え室を後にした。
< 121 / 122 >

この作品をシェア

pagetop