やっぱりあなたと ～クールな上司は強がりな部下を溺愛する～

「当たり前だろ」
耳元で和哉がささやく。
「今までずっと言いたいことも、やってやりたいことも、一緒にしたいことも我慢してきたんだから。こんなのまだまだ序の口だぞ？覚悟しろ」
「・・・」
莉緒は和哉の背中に両手をまわしてギュッと抱きしめ返した。

「かわいいな。お前。」
「・・・かわいくありません」
「かわいいよ。俺には。」
「私は部長が思ってるよりも、ダメダメですよ。」
莉緒の言葉に和哉が少し体を離して莉緒を見た。
「ダメじゃない。お前は全然ダメじゃない。」

和哉の目を見れば嘘偽りなどない言葉だとわかる。

莉緒は顔をぐちゃぐちゃにして涙を流した。

その涙は、大きな安心と愛に包まれた幸せで温かい、優しい涙だった。