やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
「終わったら、一緒に帰ろうな」
「はい」
和哉の部屋に莉緒は泊まる予定になっていた。
無事にイベントが終了したら週末は二人でゆっくりとデートすることをずっと約束していたふたり。
そのためにがんばれたようなものだった。

「早く打ち上げ終わんないかな」
和哉が漏らした言葉に莉緒は笑った。
「大盛況でしたね」
「あぁ。」
「あとはこれが続くことが大切ですね。」
「痛いとこつくな」
「もちろんです」
「だな」
初日に大盛況でも、この状態をどれだけ維持できるか。オープニングイベント以外にもどれだけの集客力のあるイベントや商品のヒットを生み出せるかが今後の課題になってくる。

たった一日の状態で安心してしまうことがコンサルタント業務では一番のタブーだった。
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