やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
「でも、ひとまず、お疲れさまでした。」
「あぁ。いろいろありがとうな」
「いいえ。私は何もしてませんよ」
「いや。かなりしてもらった」
和哉はそう言って少しネクタイを緩めた。
「お前の存在だけで、俺は頑張れるような気がしてんだ。」
目を閉じて莉緒の肩に寄りかかる和哉。
気を抜いたこんな姿を見られるのも莉緒だけな気がして莉緒はうれしい。

「あー長かったな。今日まで。」
「はい」
莉緒がすぐに返事をして、和哉が莉緒の方を見た。
「本当にお前もそう思ってんのか?」
「はい。長かったです。」
和哉はその言葉に嬉しそうに再び莉緒の肩に寄りかかった。
そして、目を閉じて「打ち上げサボりたいな。このまま」とつぶやいた。

「ダメに決まってますよ」
「だな」
和哉は目を閉じたまま莉緒の手をそっと握った。
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