やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
「仕事もひと段落したから、お前と話したいことも、行きたいところも、食べたいものも、めちゃくちゃある」
和哉が莉緒に寄りかかったまま目を閉じて話す。
「私もです」
その言葉に、和哉は目を閉じたまま微笑んだ。

和哉は莉緒の気持ちが100パーセントになっているかどうかいつも不安だった。
でも、その不安も莉緒の言動で解消されていくのを感じていた。

「もうすぐ着きますよ」
「おう」
莉緒の言葉に和哉は体を起こして、緩めていたネクタイに手をかけた。
「部長」
「ん?」
呼ばれて莉緒の方を見ると、莉緒は緩んだ和哉のネクタイを締めた。

「頑張りましょう。」
「おう」
「部長も、飲みすぎないでくださいね」
ネクタイに手をかけたまま莉緒がそう言う。
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