やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
二人で一つの毛布にくるまり、ソファに抱きしめあって座っていた。
「・・・ごめんなさい」
莉緒は小さな声でつぶやいた。
「謝らない。俺はむしろ喜んでんだから。」
「?」
「一人莉緒と離れて帰ってくるとさ、莉緒がいないこと実感して本当に寂しいんだよ。酒なんて一人の時はほとんどのまないんだけどさ。酒の力でもかりないと寂しさを紛らわせられないんだ。」
「・・・」
和哉も同じ気持ちでいてくれることに莉緒は少し安心する。
「だから莉緒も同じ気持ちだったんだってわかって俺はうれしかった。それに、もう一度ここにこうして莉緒と一緒にいられる。それだけで満たされてる。」
「私も。同じ・・・」
「よかった」
和哉は莉緒の頬に触れた。
「莉緒。」
「はい・・・」
「もっとわがまま言っていいんだ。俺はそのほうが嬉しい。それに、莉緒のわがままだってなんだって聞きたいんだよ。俺ばっかりわがまま言えないだろ?」
「・・・」
「大人げないけど、莉緒の都合とか気持ちももちろん大切だけど。それ以上に突っ走りたいくらい、俺の気持ちが自制できないんだよ。いいとしして恥ずかしい。」
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