やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
まっすぐな気持ちを伝えてくれる和哉に、莉緒は勇気を出して話始めた。
少し勇気が欲しくて、莉緒は和哉の手を握る。
その手を和哉は握りなおし、自分の手で莉緒の小さな手を包み込んだ。

莉緒が話し出そうとしているのを察して、黙ったまま待ってくれている。

「私・・・」
「あぁ。」
「夢見たんです。」
「夢?」
「そう・・・今日、部長のベッドで眠っているときに・・・」
「うん」
多くは話さずに和哉は莉緒の話に相槌を打ちながら聞いてくれている。
「大きな背中の和哉さんが、私に背を向けて遠くに行く夢。」
「うん」
「呼ぼうとしても声が出なくて、手を伸ばしても届かなかった。」
莉緒は自分の手に視線を移す。
その手は大きな和哉の手に包み込まれている。
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