やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
「私たちのところにも、できるといいんですけどね。」
そう言って微笑む莉緒に、オーナーの妻が優しく微笑んだ。

昔、二人にはなかなか子供ができなかったり流産してしまったことがあると聞いたことを思いだした。幸せそうに見える二人にも、悲しい出来事だって経験している。
その失った命を二人は忘れたことはないという。

これから待つ未来にはどんな出来事が待っているのか、莉緒は和哉を見つめながら思いをはせた。


「かわいかったな」
「うん」
二人で家に戻ると、和哉は寝室で部屋着に着替えた。
莉緒はキッチンでお茶を淹れ始める。
「俺たちにもできるといいな。」
「うん」

いつの間にか寝室から出て来た和哉が莉緒を後ろから抱きしめた。
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