やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
なかなか子供ができなくて、何年も俺は仕事が忙しくて、家庭をないがしろにしてしまう日々が続いた。
それでも結婚しているから大丈夫。
仕事をして、出世をして、家も買って、それなりに蓄えもある。
何ひとつ不自由させてはいないと過信していた。

感謝することを忘れて・・・彼女が毎日家をきれいにして、おいしい食事を作ってくれていることを当たり前と思ってしまったのかもしれない。

仕事が忙しいことを言い訳に、記念日すら数日遅れて祝うこともあった。

『結婚てなに?』
妻からそんな言葉を投げかけられたとき、俺ははじめてかなり焦った。
頭が真っ白になって、学生の頃のように、妻の気持ちを取り戻したいと必死になった。

なるべく早く帰ったり、記念日でもないのに花までかって帰ったり。何年も遠出していないことを思いだして旅行を計画して妻を連れ出した。

そして・・・
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