やっぱりあなたと ~クールな上司は強がりな部下を溺愛する~
「お前、突然なんだよ」
動揺する和哉だが、莉緒にとっては過去の苦い思いがあり聞かずにはいられなかった。
「いるわけないだろ。いたら家に入れないで公園にほっておくわ。」
そういう和哉に莉緒は明らかにほっとした顔でうつむいた。
「なんだ。好きになったか?」
「・・・」
和哉の言葉に莉緒は表情をくもらせる。

もう二度と誰かを好きにはならない。仕事に生きるのだと決めている莉緒。
そんな莉緒にとっては笑えない言葉だった。

「ごめん。嘘だよ。こんなおっさん嫌だよな。」
ごまかす和哉に「2才しかかわりません」という莉緒。それでもその表情はくもっていた。


時々見せるこの表情に、和哉は心をとらわれ始めていた。
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