ホワイトデーにくちづけを
先輩は優しく笑ってくれるけど、私は彼の澄み切った目を正面から見れなくて困る。


私の部屋に先輩がいることの不可思議にまだ全然慣れなくて。


いつもならエミちゃんと2人で話しかけにいくのがやっとだから、今のこの状況が気恥ずかしい。

先輩と部屋で2人きり、何を話したらいいのかどう振る舞えばいいのかすらわからない。


「これを渡したらすぐに帰るつもりだったんだ。けど、ごめん。急に家まで来たらびっくりするよな」


先輩の声は優しくて落ちついていて大好き。


その声そのままに、彼の誠実で穏やかな性質をあらわしている。


「あと、プリントも持って来たから」
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