愛を贈りたいから〜これからもずっと〜
中2日の平日勤務を挟んで、GW後半の4連休。私はその2日目の15時近くに仙台に入った。仙台を訪れるのは初めてだし、せっかくだから、もっと早く来たかったのだけど、とにかくギリギリでチケットを手配したから、列車もホテルも我が儘を言える状況ではなかった。


予約してあった駅近くのビジネスホテルはすぐに見つかり、チェックインして部屋へ。シティホテルじゃないから、見晴らしなんかは全く期待してなかったし、とにかく一夜の宿さえ確保できれば充分だったから、問題は全くなし。


今の時間、聡志は試合の真っ最中。もっともベンチ入りしているどうかは、定かではなかったし、してなくても練習中だろうけど、とりあえず着いた旨をLINEし、荷物を置くと私は街に出た。


東北6県の中心地ともいえる宮城県の県都仙台は、予想以上に華やかな街だった。繫華街にはGW真っ最中ということもあり、大勢の人が繰り出していた。


ほとんどの人が家族や友人、恋人と仲睦まじげに歩いている中、私はとりあえずその街を歩いてみる。今は1人だけど、もうすぐ、2ヶ月半ぶりに会う恋人が、横に居てくれるはずだ。


合宿所暮らしの聡志には、当然門限がある。この間の沖縄でも、大学時代のデートも、会うときは、いつも聡志の門限を気にしながらだった。


「普通、気にするとしたら、女子の方の門限だよね。」


なんて笑ったこともあった。旅行やお泊りデ-トどころか、1日中一緒にいることだって、簡単なことじゃなかった。


だから何をしようか、何を話そうか。デ-トが決まると、いつもそんなことを考えるようになっていた。もちろん、電話もLINEも出来る限りしてたけど、会って話をするのとは、やっぱり違うから。


だから今も、既に朝から続けているデ-トシュミレ-ションを頭の中で繰り返しながら、私は街を歩いていた。
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