愛を贈りたいから〜これからもずっと〜
病室に向かうと、元気な赤ちゃんの泣き声が聞こえて来る。その声を聞きながら、中に入ると、それぞれカ-テンで仕切られている4つのベッド。


どのベッドかは、事前に悠のお母さんから聞いていたから、そっとカ-テンを開けると


「由夏、加奈!」


「おぅ。」


上半身を起こして、ベッドに居た悠が、こちらを見ると、パッと表情を明るくして声を掛けてくれる。そして横には、スヤスヤと眠る赤ちゃんを抱っこする白鳥先輩の姿が。


「悠、おめでとう。よく頑張ったね。」


「先輩もおめでとうございます。」


口々に祝福する私達に


「ありがとう、2人が来てくれて、とっても嬉しいよ。」


「忙しいのに悪かったな。まぁ、掛けてよ。」


「ありがとうございます。でもまず赤ちゃんの顔、見せて下さい。」


「そうか、ほら、可愛いだろ。」


そう言った私に、本当に自慢げに赤ちゃんの顔を見せてくれる先輩。


「本当・・・どっち似かな?」


「そりゃ悠だよ。」


「目元は徹くんそっくりだよ。」


加奈の問いに、悠と先輩が同時に答える。


「そりゃ、美男美女のカップルの子供だから、どちら似でもきっと美人さんですよね。」


やや冷やかし気味に言った私の言葉に、顔を見合わせて微笑み合う悠と先輩。もう!・・・。


「あのぅ、抱っこさせてもらってもいいですか?」


遠慮がちに加奈が聞くと


「もちろんだよ。ただし落とさないように頼むぜ。」


そう言いながら、先輩は加奈に赤ちゃんを渡す。おっかなびっくり受け取った加奈は


「可愛い・・・。」


と途端に笑顔。


「うん、ありがとう。」


そう言う悠も笑顔。そして次に抱っこさせてもらった私も


「生まれたばかりの赤ちゃんって、こんなにちっちゃいんだね・・・。」


と思わずつぶやくとやっぱり笑顔になった。


「ありがとうございました。」


出来たらずっと抱っこしてたいくらいだったけど、そうもいかない。私はそっと悠の横のベッドに赤ちゃんを置いた。


「名前決まった?」


「うん。『まい』に決めた。踊りを舞うの『舞』って書いて。」


「調べたら字画もいいみたいなんで。」


そう答えた2人は、当たり前だけど、本当に幸せそうだった。
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