愛を贈りたいから〜これからもずっと〜
「でも見てて飽きませんね。なんなんでしょうね、この可愛さは?」


そんなことを言った加奈に


「ああ。この世に悠の他にも、こんなにも愛しくて、可愛い生き物が現れるなんて、考えてみたこともなかった。」


と臆面もなく言う先輩。


「と、徹くん・・・。」


するとその言葉に、悠は顔を真っ赤にし


「はいはい、わかりました、ごちそうさまです。」


と言ってしまう私。その言葉にハッとした先輩は


「あっ、俺ちょっと社に連絡入れなきゃならないから。ま、2人ともゆっくりしてってくれ。」


と慌てて病室を出て行く。


「悠、愛されてるね、相変わらず。」


その後ろ姿を見送りながら、冷やかすように言う加奈とその隣でニヤニヤ顔の私に


「う、うん・・・お陰様で・・・。」


と私達の顔を見られずに、悠はポツンと答えた。


その後、気を取り直して(?)悠にお祝いのプレゼントの赤ちゃんの洋服を渡すと


「可愛い。ありがとう、舞も喜ぶよ。」


と母の顔でお礼を言っていたけど、引き続き渡した和菓子を見ると


「うわぁ、食べたかったんだぁ。2人とも本当にありがとう。」


と母を忘れて、途端にいつもの食いしん坊悠に戻っていたのが、おかしかった。


まだまだ話したかったけど、出産直後のママの所に長居は禁物と、私のお母さんに釘を刺されて来たから、そろそろお暇することに。


「今日は本当にありがとう。2人に会えて嬉しかった、退院して落ち着いたら、連絡するね。」


まだ身体がしんどいだろうに、悠はわざわざ病室の外に出て、見送ってくれた。ちなみに先輩は、とうとう戻って来ませんでした・・・。
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