世界No.1の総長と一輪の花 ホワイトデー特別編
彼女は俺がここに来たことに気づいてなくて、ちらりと顔を出すだけの不審者とも思える行動を続ける。
彼女のもとへと走ると、やっっっとこっちに気づいてくれて。
ぎゅっと強く抱きついてきた花莉を思いっきり抱きしめた。
すぐに心の中に広がるのは安心感。
…ほんとに見つかってよかった。
「詩優の馬鹿…迷子にならないでよ……」
腕の中からくぐもった小さな声が聞こえてくる。
「ほんとにごめん」
「戻ったら詩優がいなくてすごく心配したんだよ…。どこ行ってたの…」
「…どうしても買いたいものがあってさ、すぐ戻るつもりだったんだけど……一言花莉に言ってから行くべきだった。
本当にごめん」
「……それは、2人で行ったらだめだったの?」
「…だめ」
「どうして…?」
腕の中にいる彼女はゆっくり顔を上げて、少し悲しそうな表情を浮かべる。