世界No.1の総長と一輪の花 ホワイトデー特別編
“どうして”
って言われてもな……。
『ホワイトデーのお返し買いに行きたかったから』
とは言えねぇ。
ここまで来たら内緒にしてぇし……。
「それより、花莉は怪我とかねぇか?」
急に話題を変えた。
花莉の質問に答えられなかったから逃げたって言うのもあるけど、実際怪我があるかないかっていうのはかなり心配なこと。
「怪我はないから話変えないで…!!」
花莉は頬を膨らませてぽかぽかと俺の胸を叩く。
その手には力がこもっていないから、全然痛くない。
怪我がないのは安心、だけど。
……さすがに花莉もそこまで馬鹿じゃない。理由を聞くまで俺を逃がしてくれねぇみたいだ。
どうするか。
何かいい策を考えねぇと……
と思った時、俺は気づいた。
店の前で花莉と抱き合っているから、注目の的になっているということに。
「…花莉、すげぇ目立ってるからとりあえずここから移動するか」
俺の言葉にきょろきょろと周りを見る彼女。
花莉もやっぱり気づいていなかったみたいで、顔を真っ赤にしてこくんと頷いた。
それから俺たちはしっかりはぐれないように手を繋いで、ここから移動。