ありがとう。そして、さようなら。
6時間目の授業が終わり、帰りの用意をしているところだった。
「羽優ちゃんの家って、シャルレとか歩道橋とかある方面?」
突然、一ノ瀬が聞いてきた。
別に嘘をつく必要もないので、正直に答えた。
「え、そうだけど」
「俺もそっち方面なんだ。途中まで、一緒に帰らない?」
何を企んでいるのかと思った。
だって、初めて会った…は言い過ぎだけど、そこまで顔を合わせたことがない人に帰りを誘われるなんて…。