俺様天然男子
緊張する…。



初めて足を踏み入れるオタ部こと、読書研究部。



コンコンっとノックをすれば、理音くんが顔を出した。



「どうぞ」

「お、お邪魔します…」

「ごめんね、汚くて」



うわっ、マンガ本だらけ…。



それに、アニメのポスターや、テレビまである。



読書じゃなかったの…?



「だ、大丈夫なの?ここ使って…」

「部長に借りて来た、カギ」



長机にパンを置き、パイプ椅子に座る。



向かいに座った理音くんは、見事なまでにキレイなお弁当を広げた。



「お母さんが作るの…?」

「うん、いつも。ありがたいよね、本当に」

「理音くんは優しいね」

「そんなことないと思うけど…」



優しいよ。



年頃の男の子が、お弁当に感謝なんてしないと思う。



コロッケパンを取り出して、一口かじった。



味なんか分からないほどに緊張してる…。



何を言われるのかな…。



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