俺様天然男子
聞くのは怖い。



だけど、聞かなきゃなにも始まらない。



フラれても、諦めは着くのかな…。



「妹がね、いるんだけど…」

「妹さん?何才?」

「一個下。でね、妹に…雛森の話をしたんだ」

「なっん…ですと…?」

「ごめんね?でも、俺も…キャパオーバーだったからさ…」

「そっか…。それで?」

「ものすごーく、怒られた…」



しゅんとなった理音くんは、やっぱり可愛い。



こんなに大きいのに可愛いなんて、変な感じがするけど。



「雛森が走って逃げたって言ったら、完璧に俺が悪いって。返事もろくにせずに、なに考えてんだって」

「妹さん、大人だねぇ」

「うん、俺よりずっと大人だと思う。それでね、雛森のこと、どう思ってるんだって聞かれた」



ダメだ、喉がカラカラだ。



緊張しすぎて、パンが喉を通らない。



「可愛いと思うし、友達になれたって、本当に嬉しくて…。俺、今まで誰かを好きになったこと…なくて…。よくわからないって言ったのは、俺の中に、そういう感情がちゃんとあるのかわからなかったから」



理音くんは、ちゃんと言葉をくれる。



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