白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)

「もも~~!!」


 後ろから抱き着かれ
 一瞬で体中に鳥肌が。


 今すぐに離れて欲しくて、
 後ろに向かって
 エルボをくらわそうとした瞬間

 スッと離れたその相手は
 2番目の兄の恋兄(こいにい)。


 私よりも4歳年上の20歳。


 本当の名前は
『鯉登(こいと)』だけど
『鯉』って漢字が大嫌いで
 自分の中では『恋都』っていう
 漢字にしているらしい。



 この軽いテンションが
 兄たちの中で
 一番うざいなと感じてしまう。


 何かを企んでいるように
 ニヤニヤ微笑んでいるところを見ると
 早く恋兄の前から逃げなくてはと
 私の中の危険信号が
 ピコンピコンと警告音を発しだした。


 見事に的中した嫌な予感。


 口を開いたのはやっぱり
 ニヤニヤしっぱなしの恋兄だった。

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