同じ空の下~想い描いた2人の夢~
「あ、樹、これ、俺のユニフォームなんだけど…良かったら代わりに着てくんね?」と春馬先輩にユニフォームを渡された。

えっ?いいの?大好きな春馬先輩のユニフォーム!!

ホントに私が着ていいの?

私は受け取りながら、笑顔でありがとうございますと言った。

「えーずるい!俺もきたーい」と乃木くんは言う。

「…春馬のユニフォーム着るってことはうちのエースを背負うってことだぞ!覚悟はあるんだろうな?」と主将が言う。

皆が生唾を飲み込む音がした気がする。

「…バカにしてんの?俺の妹…なめてもらったら困るんだけど?こう見えて、U―18の指定強化選手でプロ契約してるんだよ?実力は本物…女ってだけで納得いかないなら俺が相手になるよ?樹のボール後で感じてもらうから!全員に…」とお兄ちゃんは言ってくれる。

私は大きく頷いて、「全力で戦います!」と私は宣言した。

「うっし、樹、早く着替えてきなー」とお兄ちゃんに言われ、更衣室に向かう私。

春馬先輩のユニフォームと思うだけでドキドキしてきちゃうけど…そんなことは言ってられない。

私はユニフォームに袖を通した。

春馬先輩の背番号も背負うんだ…改めてそう感じた。

私が着替えて「遅くなりました」とグラウンドに出ると、

「似合ってるよー」と春馬先輩は言ってくれる。

乃木くんや他の皆も大きく頷いてくれていた。

「…サイズ大丈夫?俺のやつだけど…」と春馬先輩は言う。

少し袖とかは大きいけど、支障をきたすほどブカブカでもない。

「大丈夫そうです」と私は言った。

「じゃあいつも通り練習してね―俺見とくから」とお兄ちゃんは言った。

まず、ウォーミングアップの走り込みから。

『俺はまだ認めてない!』という主将から挑発を受けた。

「1番前走りなよ」と主将。

「それはさすがに…ムチャだろ」と他の部員が言ってくれる。

「…いつも見てるんだろう?だったら走れるだろ!」と主将は言ってくる。

「何周ですか?」と私は聞いた。

「ヤル気あっていいねぇ。嫌いじゃないよ?」と言いながらも、目が怒っているように見えた。

「いつも2周ですよね?」と私が言うと、

「分かってんじゃん!3周でもいいんだよ?」と更なる挑発を受けた。

「わかりました。じゃぁ、サクッと3周走ってきます」と私は言うと走り始めた。

「分かってないなぁ。アイツは挑発されたら力を発揮するタイプなんだよー」とお兄ちゃんは春馬先輩に話していた。
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