同じ空の下~想い描いた2人の夢~
話を聞きながら、

「…これ、お前のユニフォームだ。樹。今日はこれ着て、ベンチに座ってくれ。これ着て、春馬の勇士を見守ってやって欲しい」と主将にユニフォームを渡された。

そこには私の背番号32が入っていた。

「…これ…」と私が皆を見ると、

「お前のだよ。ほら、俺、病み上がりじゃん?なんかあったらまずいからさ、一応これ着てスタンバってて」と春馬先輩は言う。

「…そうですよ~俺、先輩がベンチでどかっと構えててくれるだけで安心できるんで~」と乃木くんは言う。

主将も、先生も皆も頷いていた。

「ありがとうございます」と私は笑った。

「話遮って悪かったな。で、お前のみたてと対策と考えを教えてくれ」と主将は言った。そして私たちは改めてタブレットと向かい合った。

私は対策と傾向を伝えてみた。

「…なるほどな。うん…そうだな」と主将は言っていた。

「…ヨシッ!お前ら本気でアイツら潰すぞ!今年こそは!そして念願の甲子園だ!」と主将は言って、皆はオーと盛り上がった。

私たちは会場について、一礼して中に入る。私はバックヤードの更衣室でユニフォームに着替えた。

そんな私を何故か見守っていたマネージャー。

「…先輩はやっぱりユニフォームが1番似合いますね!」なんて…私の士気をあげてくれる可愛い後輩マネージャー。

ありがとうと良いながら着替え終えた私とマネージャーはベンチに戻った。

うちらは後攻になっていた。

初回から春馬先輩が投げているところを見られるなんて、なんて幸せなんだろう。

私は思わずにやけてしまった。

春馬先輩は最初から豪速球を投げていた。

一人目は豪快空振りしている。

私は手を叩いて喜んでしまった。

私、ホントに春馬先輩のこと大好きなんだわって、改めて思ってしまった。

春馬先輩に私は意識が行きすぎて相手の作戦を私は見逃していた。

相手が手加減しているという事実を。

春馬先輩は落ち着いて投げている。得意としている鋭角の豪速球スライダーも決まっている。

ケガあがりとはとても思えないほどだ。

スピードもしっかり出ていた。

キレイに打ち取り、回はうちらの攻撃に入る。

が、さすがの相手で簡単には点を入れされてはくれない。

豪速球のストレートを武器にしている相手のエースピッチャーは平気で150を越えてきた。

うちも負けじと初球から豪快に振っていく。

回は三回表、ついに動いた。

相手が実力を見せつけるかのようにギアを入れてきた。

さすがの春馬先輩も苦しんでるように見えた。

この回、3失点もしていた。

それでも諦めない強い目力で相手を威圧出来る春馬先輩は強いと思うけど。

何とか失点3に食い止め、その後は何とか皆でカバーしあいながら、追加点を入れさせなかった。
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