花火
出逢い


「ねえねえ、
君ちょっといい?」

家まであと10分くらいの所で
話かけられた。
振り向くと同い年くらいの男の子が困った顔して立ってる。
いつもなら無視して通り過ぎるところだけど
私はなぜか立ち止まって
振り向いてしまった


『何です か?』

近づいてくる。
暗くてよくわからなかったけど
綺麗な顔…
明るめの茶色い髪に
猫みたいな目
高くて筋の通った鼻
少し端の上がった口

目が合った瞬間
吸い込まれると思った。


「いきなり声かけちゃってごめん。
この住所の場所わかる?」

思わず見惚れてしまってたのが
その男の子の発する低めの声で我にかえる。

見せられた紙に書いてあるのは
私の家の隣の家の住所。

『すぐ近くですよ。
私も行くのでついてきてください』

あれ?だけど私の家の隣
この前建てられたばっかりで
まだ誰も住んでなかったはず。
待ち合わせにしては
住宅街の真ん中過ぎる。
この人何者?
はあ…関わらなきゃ良かったかも。
けど危なくなさそうだから
別にいいか。


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