恋を知らない花~初恋~
私はドライヤーを置くと雄一さんの方を向き、ギュッと抱きしめ返す。
上を向くと触れるだけのキスが何度も降ってきた。
そのキスは次第に深くなりお互いの舌を絡め合う。

「お酒の味がします。初めて結衣さんとしたキスもお酒の味でしたね。」

「フフッ、そうだったかも。」

「俺もシャワー浴びてくるからベッドに入って待っててね。湯冷めしないようにしっかりお布団かかって下さいね。」

「待ってるね。」

そう言うとまたチュッとキスをした。
私は雄一さんの言うとおり真っ直ぐベッドへ行く。

雄一さんの匂いがするこの布団に包まれるとやはり今までに感じたことのない幸せを感じる。
私は首まで布団をかぶり、雄一さんを待った。


……ハッ!
驚いて目を開けると点けていたはずの電気が消え真っ暗だった…
横には雄一さんが私を抱きしめて寝ていた。

いつの間にか寝てしまっていたんだ…
起こしてくれたら…と思い、雄一さんはきっとそんなことしないんだろうなって思った。
私は雄一さんの方を向き、顔を覗き込む。
相変わらずぎっしりと睫が生えている。
あぁ、好き。キスしたいなぁ。
そっと唇を指で撫でる。
こそばかったのか、私をギュッと抱きしめる手に力が入った。
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