恋を知らない花～初恋～

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「あれっ？おはよう。そちらは？」

声をかけられて振り向くと村田課長がコーヒーを持って立っていた。

「おはようございます。課長、昨日はご心配とご迷惑をおかけしました。」

私は立ち上がって頭を下げた。

「はじめまして。鳥越と申します。」

拓也も立ち上がって課長に挨拶をしてくれた。

「もしかして付き合っている人がいたのか？今回のことはなんて言ったらいいか…」

「いえ、課長、違います。友達です。美穂ちゃんに一晩中付いててもらう訳にはいかなかったので。」

「じゃあ、俺はこれで。また何かあれば連絡しろよ。それでは、こいつのことよろしくお願いします。」

そう言うと拓也は颯爽とお店を出て行った。

「かなりかっこいいお友達だな。」

「本当に違いますよ？美穂ちゃんの代わりに一緒にいてくれただけだし…」

「ふ～ん、一晩一緒にね～。でも安心したよ。男性不信になってないか心配だったから。」

課長はコーヒーのテイクアウトだったからそのまま一緒に店を出て会社へ行った。

「部署内の人間には何も言ってはないけど薄々気づいてるやつもいる。前に１人、営業先でイタズラされたやつがいたんだ。そいつは目に見えて笑わなくなって…鬱の診断受けて退職した。だからこそ川井を陰ながら心配してるやつもいる。」

「はい。わかりました。心配されないように今日からまた頑張ります！」