ウエディングドレスを着せてやろう
「あ、いえ」
と言うと、光一は、

「開けずに箱ごと捨ててくれ」
と言ってきた。

 えっ、と花鈴は詰まる。

「いいか。
 開けずに捨てるんだぞ」
と念押ししてくる。

「な、何故ですかっ?」

「あれを開けると、エジプトで謎の扉が開いて、UFOが攻めてくるからとかじゃないぞ。
 今の俺たちにはふさわしくない気がするからだ」

 何故、私の思考がわかりました……と花鈴が思っていると、

「あの中に入っているものすべて、今の俺たちにはふさわしくない。
 いや、少なくとも俺にはふさわしくない気がするからだ」

 開けるなよ、と光一は念押ししてきた。
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