完璧御曹司の優しい結婚事情
「葉月の悩み言は、解消できたかな?」

ドキドキしすぎて、声を発さそうにもない。ただ首を縦に振って意思を示すと、樹さんはそっと私の肩を抱き寄せた。

「よかった」

彼がホッとしているのが伝わってくる。私が不安を抱えていたように、樹さんも不安で心が揺れていたことがわかって、同じなんだと思うと安心した。

「これから、なんでも思ったことは話していこうね。そうすれば、こうやってお互いに不安を解消できるでしょう?」

「はい。樹さん、聞いてくれてありがとう」

「うん。葉月も、話してくれてありがとう」


その後、再び水族館にもどって、まだ見ていなかったエリアを回った。ゆうゆうと泳ぐ海ガメに感嘆の声をあげたり、イルカショーで水しぶきを浴びてはしゃいだり。樹さんも、私ほどではなかったけれど、声を上げていた。どんな自分でも受け入れてもらえると安心したら、子どもっぽいとか気にしないで、素直に過ごすことができた。

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