完璧御曹司の優しい結婚事情
せめて……せめて夕飯は美味しいものをたくさん作って、喜んでもらいたい。

「樹さん、夕飯は何にしましょうか?」

スーパーへ向かう車の中で、樹さんに尋ねた。

「……」

メニューを考えているのか、無言になった樹さん。それが少しだけ長くて、心配になって目を向けると……口元を片手で押さえて、耳を赤くしていた。

「はあ……葉月、運転中に破壊力満点な発言で、びっくりした」

えっ?ただ夕飯の相談をしただけのはず……

「なんか新婚さんみたいだった。可愛い新妻に聞かれたみたいで、すごく……ぐっときた」

「に、新妻!?」

樹さんの発言こそ、破壊力満点なんですが……

「だめだ。葉月のやることなすこと全てが可愛すぎる」

おもわず漏れそうになる、「ひっ」という色気のない声を我慢する。完璧だと言われる真田課長の姿も、確かに樹さんの一面だけど……こういうところも彼の一面なんだ。そのギャップが大きすぎて、心臓に悪い。



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