完璧御曹司の優しい結婚事情
心ここに在らずなふわふわした気持ちのまま、樹さんに手を引かれてスーパーへ足を踏み入れた。夕暮れ時の店内は、とても賑わっていた。

「何にしようか?」

「私に作れるものなら、なんでも大丈夫ですけど……」

「それじゃあ……メインは生姜焼きが食べたいな。葉月、作れる?」

「はい。じゃあ、それにお味噌汁とサラダと……」

樹さんに、家にある食材を尋ねながら、足りないものをカゴに入れていく。さっきもそうだったけど、こういう時間はすごく楽しい。




樹さんのマンションに着くと、買ってもらったばかりのエプロンを早速身につけて、調理にとりかかった。運転してくれた樹さんには、コーヒーを渡してゆっくりしてもらうことにする。

ソファーに座ってこちらを見ている樹さんは気になるものの、もともと料理は好きだから、自分のペースでサクサクと進めていく。料理上手のおばあちゃんに教わった通り、合間で片付けをしながら、常に動きやすくしておく。


< 231 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop