完璧御曹司の優しい結婚事情
樹さんは、出した料理を完食してくれた。

「ごちそうさま。後片付けは僕がやっておくから、葉月は休んでてね」

「あっ、いえ。私も一緒にやらせてください」

樹さんが洗ったものを、私が拭いていく。こんなふうに横並びで作業するのも、楽しくて好きだ。手際の良い樹さんは、合間に食後のコーヒーも用意している。

「よし、これで終わりだ。コーヒーもはいったし、一休みしよう。その間に、お風呂も準備しておくよ」

〝お風呂〟という言葉に、ギクリとする。無理強いなことはしないと言われているし、何より、樹さんのことは信頼しているんだけど、どうしたって意識して緊張してしまう。
そんな私の様子に気付いたのか、樹さんが苦笑する。

「葉月、そんなに緊張しないで。僕達はまだ付き合い出したばかりだし、葉月がいいと言うまで何もしないよ」

「す、すみません」

「いや。謝ることでもないよ。僕はこうして、葉月と一緒にいられるだけで幸せなんだから」

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