完璧御曹司の優しい結婚事情
樹さんに車で待っていてもらうのも失礼だから部屋に上がってもらうことにした。

「おじゃまします」

もの珍しそうに見回す樹さん。無駄遣いをしないようにって気を付けてるから、お洒落というよりも実用的な部屋だ。女子としては、ちょっと残念な感じなんだけど……

「お掃除がちゃんとできてないから、あまり見られると恥ずかしい」

「そんなことないよ。葉月らしい部屋だね。余分な物はなくて、でもカーテンとか家具なんかは女の子らしいものばかりで。すごく心地いい部屋だ。あっ、これは太郎くんかな?」

キッチンでお茶をいれていると、樹さんはリビングの棚の上に置いた写真たてを覗き込んでいた。

「そうです。うちの自慢の子です。隣が亡くなった両親と、祖父母です」

「葉月は……お母さんに似てるかな。この目の感じとか」

「ふふふ。よく言われましたね。はい、樹さん。お茶をいれたから、座っててください。その間に準備をしちゃいます」

「ありがとう」


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