完璧御曹司の優しい結婚事情
「課長のこと、樹さんとか呼んでなかった?」

「……言ってました」

「課長の態度は、他の人と接するのと変わらなかったけど……北沢さんは、なんだか課長に馴れ馴れしいというか……って、ごめん、葉月ちゃん。無神経すぎたね」

暗い顔をした私を見て、焦ったように謝られたけど、実際に私も、なんだか親密な雰囲気を感じ取っていた。

なんとなく気まずいまま昼食を食べていると、総務の女の子達が、きゃあきゃあ言いながら食堂に入ってきた。

「さっきの見た?」

「見た見た。なんか、お似合いすぎて、ショックなんだけど」

「今日からだっけ、あの人。あの取り引き先の社長令嬢」

「そうそう。はあ……あの人、今頃真田課長とランチかあ。羨ましいなあ」

「でも、社長もいたじゃない」

「ええ!てことは、公認の仲だったりして」

〝真田課長〟〝公認の仲〟
一体、なんのことを言っているのだろう。


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