完璧御曹司の優しい結婚事情
会社へ行くと、樹さんは相変わらず忙しそうにしていて、落ち着く暇もなさそうだった。抱えていた仕事も人一倍多いし、引き継ぎが大変なんだろう。もちろん、それだけじゃなくて通常業務もある。

もちろん、社内でプライベートなやりとりはできない。時折、樹さんと目が合うと、こっそり笑みを向けてくれる。それだけが救いで、なんとか平常心を保っていられた。

でも、噂話はちょこちょこ耳に入ってくる。

今夜こそは話ができるかと思っても、やっぱり樹さんの帰りは遅く、送信したメールに返事があったのは、日付が変わってからだった。
平日は無理そうだ。話をするのは週末。それまで噂に振り回されないよう、気持ちを新たにした。


でも、そんな決意はすぐに砕け散ってしまった。










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