完璧御曹司の優しい結婚事情
「葉月ちゃん、こっちこっち」

「お待たせしました」

「急に誘っちゃってごめんね」

「いえ。私も一度、お見舞いに行きたいと思っていたので」

今井さんとは、たまにメールでやりとりしているけど、調子が思わしくないことが多くて、お見舞いは遠慮していた。

「先日ね、やっと体調が落ち着いてきたから、退院が見えてきたって言ってたの。お宅におじゃまするのも迷惑になるから、入院しているうちの方がいいと思って」

話をしながら、駅に隣接しているデパートに足を向ける。お見舞いの品を買うためだ。

「食事制限もあるかもしれないし……何がいいかなあ」

「うーん。今井さん、きっと退屈してますよね。それに、お子さんも、ママと離れているのは寂しいだろうし……」

「そうよねぇ。あっ、じゃあ、子ども向けに何かお菓子を買って行こうか。今井さんには、何か眺めて楽しめるもので」

いろいろ見て回った結果、プリザーブドフラワーのちょっとした飾りに決めた。

「これなら水はいらないし、退院後も家に飾れるしね。あと、雑誌も買っていってあげよう」

無事にお見舞いの品も買えてホッとしながら、病院に向かった。



< 296 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop