完璧御曹司の優しい結婚事情
とりあえず落ち着きたくて、駅近の大きな公園のベンチに座った。スマートフォンを震える手にとると同時に、着信を告げるバイブが震えてビクリとする。佐藤さんからだ。

「……もしもし」

「葉月ちゃん?大丈夫?あなたどこにいるの?」

「ご、ごめんなさい。大丈夫です。ちょっと……まだ外にいます」

「さっき、真田課長がもどってきて、葉月ちゃんが飛び出していったことを伝えたら、凄い勢いで追いかけていったわよ」

「そ、そうですか」

「ちゃんと話をしないとだめよ。葉月ちゃん、〝後悔をしないように〟でしょ?」


〝後悔をしないように〟


それは、ずっと自分自身に言い聞かせてきたことだった。

「今何も聞かないで逃げて、課長との仲がだめになっても、葉月ちゃんは後悔しない?」

「それは……嫌です」

「それなら逃げちゃだめよ」

「……はい」



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