完璧御曹司の優しい結婚事情
「目が覚めたようだね」

課長は、いまだに状況を掴めないでいる私を、安心させるように優しい笑みを浮かべている。

「えっと……ここはどこでしょうか?」

「僕のマンションだよ」

「えっ?」

驚いて、もう一度辺りを見回す。黒で統一された室内は、確かに男性らしい部屋だ。

「ごめんね。驚かせてしまったね。昨日のことは覚えてる?」

「昨日……」

ハッとして、もう一度自分を見る。服はしわくちゃだけど、確かに昨日のままだ。とりあえず、そこはホッとするものの、昨日のことはよく思い出せない。
確か飲み会で、男性陣からおもてなしされて……

「あまり覚えていないかな?とりあえず説明するから、顔を洗ってリビングにおいで。シャワーも浴びたければ使っていいし、着替えは僕のでよければ貸すから」

とんでもない。
課長のマンションでシャワーをお借りするとか、着替えまで出してもらうとか、ありえない……

「か、顔だけ洗わせてください」

「部屋を出て右の突き当たりだよ。タオルはあるものを自由に使っていいから」

私を案内すると、課長はリビングにもどっていった。

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