完璧御曹司の優しい結婚事情
「川村さん、お疲れさま」

集中してパソコンに見入っていた時、突然課長に声をかけられた。気配に全く気付いていなくて、おもわずピクリと肩を揺らす。それを見て、課長がクスクス笑っている。

「ごめん、ごめん。驚かせてしまったかな?」

「あっ、いえ。お疲れさまです」

「急ぎのものは、もう終わってる?」

「はい」

「そう。なら、昨日も遅くまで残っていたことだし、今日は早めに帰るんだよ」

そう言うと、課長は悪戯っ子のような笑みを浮かべながら、わずかに顔を寄せてきた。

「明日の打ち上げに響くよ。楽しみにしているからね」

なんて、囁くように言った。予想外のことに、おもわずドキドキしてしまう。頬が熱くなっていくのがわかる。

「は、はい」

上擦った声で返事をすると、いつもの王子スマイルにもどって、それでもくすっと笑いをこぼしなから、課長は自分の席にもどっていった。


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