完璧御曹司の優しい結婚事情
定時になって、お店に向かうことにした。一応、内緒の会だから、準備ができた人から別々に向かうことになっている。
課長は10分ほど遅れそうだと連絡があったし、鈴木さんは出掛けに三浦さんに捕まっていたから、少し遅れるかもしれない。

鈴木さんが予約してくれたお店に着くと、店内は涼しくてホッとした。そろそろ初夏の頃。梅雨明けも間近だろう。ここまで歩いてくる間に、身体が汗ばんでいた。

予約してくれていたのは個室で、室内には可愛らしい和風の小物が飾られていた。なんだか、祖父母の家を連想させられて、すごく落ち着く。

「お待たせ」

襖が開けられて、鈴木さんが顔を出した。
あれ?後ろにもう一人誰かがいる。課長かな?首を傾げていると、突然鈴木さんが手を合わせて謝ってきた。

「ごめん、葉月ちゃん」

鈴木さんの後ろにいたのは、前島さんだった。


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