爽やか王子の裏側は



その日はなかなか園川くんを見ることができなかった


視界に入れるとちょっと苦しくなって


でも見たいなって思うけど


自分にそんな勇気はない



昼休み


当番はないけど図書館に向かっている


教室にいると園川くんがいやでも目に入る



ボテボテと図書館につながる廊下を歩いてため息をつく


「西村華乃?」


!


「長谷川くん」


「どうしたの、なんか元気なくない?」


…


図書館に行くところだったのかな


私の後ろから声をかけて顔を覗き込んだ


「…あの、さ」


そういえば体育祭前、長谷川くんも私にキスをした


こんがらがったり怒ったりしたけど…


長谷川くんの時よりも、園川くんの時の方がこんなにも苦しくなるのはなんでなんだろ


「…もしも…友達だと思ってる子に…魔が刺して…き、キスをすることってある?」


…


いや、待て、私なんちゅう質問してるんだ!?


「あ、いや、ごめん、忘れて!」


あああ馬鹿馬鹿


言葉を選べよ西村っ


「ちょっと待って」


!


「それ、どういうこと?されたの?誰かに」


あんたもしとるがな


とはいえず


「…い、いや…まさか、そんな」


嘘をつくのが苦手な西村、あからさまに視線を逸らすというミス


「もしかして真一?」


!


なぜわかる


いや、私の男友達ってあなた方2人ぐらいだからわかるか


「いや、ごめん忘れていいよ」



パシッ


!

< 238 / 292 >

この作品をシェア

pagetop