爽やか王子の裏側は



その場をさろうとした私の腕が長谷川くんによって引かれる


「答えて、何されたの?」





これ、言わなきゃ離してもらえないやつ?


「…」


でも自分から口に出すのってめちゃくちゃ恥ずかしいんだけど泣きそう


「真一に…されたの?」





ゆっくりとうなずいた


「…はああああ」


うおっ


でっかいため息


「あの野郎…」


でも、問題はそこじゃない


私へのそれが…どういう意味を持っていたのかわからない


どう受け止めればいいのか


さっきも受け止め方を間違えて勝手に傷ついた


もしかして園川くんも…なんて期待して、
そんなんじゃない
の言葉に勝手に傷ついた


でも私は園川くんと違ってこういう経験が少なすぎるんです




「分からないんだよ…私は…意味を知りたいって思うのに、知るのが怖くて…何もできない」


こんなこと言うつもりじゃなかったのに

次々と言葉が出てくる



「西村華乃…」


「前みたいに…普通に話して、ピアノ聴いてもらって…そういう関係でもいいはずなのに…
今の私じゃきっと前みたいに園川くんに接することができないから…」


だから


苦しい


許して欲しい、友達だと思われているのに

私は勝手にあなたを好きになってしまったことを



「私どうすればいいんだろう…」



声が震えているのがわかった


どうすればいいんだろう



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