年上同期の独占愛~ずっと側に
当日の急な誘いに何かあるな、とは思ったが、まさか林君から弘美に連絡がいくとは思っていなかった。

「驚きましたよ。職場に電話かかってきました。何があったんですか?まずは話を聞かせてください。」

食欲なさそうだし、お腹に優しいものがいいですよね、と、なべ料理の美味しいお店に連れて行ってくれた。お鍋をつつきながら、今までの話をすると、弘美はため息をつきながら言った。

「もう、ちゃっちゃと話してスッキリさせちゃえばいいじゃないですか。」

「だから、話をして本当のこと知って傷つくのが嫌なんだってば。」

「このまま別れるんですか?」

「うん。もう終わりにしたい。」

「誤解かもしれませんよ。」

「・・・そうかもしれないけど、そうじゃないかもしれないから。」

「はあー。林さんはこのまま自然消滅は望んでませんよ。毎日連絡くるんでしょ?」

「そのうち諦めるんじゃない?会って話したとしてもどっちみに別れるんだから、会うことないよ。」

「それでいいんですか?」

「・・うん。仕事、がんばる。」

「・・・何かあったら言ってくださいね。それと、ちゃんと食べてください。」

「うん。ありがとね。」

久しぶりにしっかり食べた食事は美味しかった。両親も、最近毎日帰りの遅い私に、朝だけはしっかり食べてほしい、としっかりとボリュームのある朝食を用意してくれているのだが疲れているのもあり、なかなか食べられなかった。しかし、今日弘美が連れてきてくれたお鍋はあっさりしていてとても美味しかった。弘美が色々気を遣ってくれて、疲れも取れた気がした。

翌日の日曜日。少しだけ早起きして部屋の掃除でもしようかと思っていたら、電話が鳴った。林君からだ。いつも通り無視していたら、メッセージがきた。

『萌々ちゃんの家の前にいる。話せるまで帰らない。』

なんと・・・とうとう家まで来たか。実家だから直接訪ねてくることはさすがにできなかったのだろう。本当にいるのかどうか怪しいが、玄関を出て、あたりを見渡す限り、見当たらない。50メートルほど離れた公園のほうへ歩いていくと、ブランコに乗った林君がいた。

仕方がない・・・。ここだと近所の人たちの目があるから、少し離れたところに行こう。

「林君・・・」

後ろから声をかけると、弾かれたようにブランコから立ち上がった。

< 127 / 228 >

この作品をシェア

pagetop